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ゼミ訪問
第5回 (2009.10)
二宮克美ゼミナール
――専門とする分野は何ですか?

二宮: 大きな意味でいえば、【心理学】に当たります。細かくいえば【発達心理学】、さらに細かく児童期・青年期の社会性の発達とか、道徳性の発達という分野なのです。まぁ、一般的にいえば心理学で構いません。
――先生がその分野に興味をもったきっかけは?
二宮: 私自身、高校時代は理系で、化け学の理科の先生である兄の影響もあるんですが、そのころは漠然と化け学に興味を持っていました。でも、高校三年の時に元東工大教授・島崎俊樹「こころの世界」(岩波新書)を読んで、化け学じゃなくて、人間の心も面白いんじゃないかと思い始めたのがひとつのきっかけになりましたね。
あと、僕の現役受験時には唯一東大の入試が学園紛争で無かった時期で、そういうこともあって、実際高校三年生の時に、理科の先生になるためのカリキュラムを受けることも残念ながらできずうまくいかなかった。その後、浪人時代に心理学について見つめなおして、その中でもパーソナリティとか社会性の個人差を扱えないかと思ったことがきっかけですね。
――先生のゼミでは一体どのようなことを学びますか?
二宮: まず、三年生のゼミでは【心理学】という学問をやっていく上で最低限必要な【数量】の扱い方。具体的にいうと表を書いたり、図を描いたり、統計的な検定などを三年生の春学期(前半期)でこってりみっちりやります。
秋学期(後半期)については、それぞれの心理学の関連で興味があるテーマを選んでいく作業になります。学生が思っているものを開発していく意味で何かひとつテキストを取り上げて、講読演習みたいなことをやります。
三年生の終わりには卒論で何を書くか決めていきたいですね。それで、四年生になってからは就職活動などでとても忙しくなってしまうんですが、前半で卒業テーマを確定し、実際に調査なり、面接なり、実験なんかをしてデータを集めます。
あと、四年生の後半でデータを分析し、自分が問題・目的としたことについて明らかにしていきます。そして、最後は卒業論文を書くことになります。 これが二年間の大体の流れとなりますね。
――学習方法・授業形態はどのようになっていますか?
二宮: 今いったように二年間で大きく四つの時期があって、三年生の春学期には統計的な知識についてみっちり学ぶことと考えるならば、講義形式・演習形式となります。

三年生の秋学期には、自分の研究テーマについて掘り起こすことと考えるならば、講読演習的なものですね。
四年生の前半では、どちらかというと自分の研究方法についてみんなの意見と戦わせる意味でいうと、ディベートやディスカッションになると思います。
四年生の秋学期にはまさに卒業論文を書くことに徹しますので、これは個別な学習になりますね。だから、この時期にグループワークを行うということは全然考えていません。
――先生がゼミを通して学生たちに求めることは何ですか?
二宮: 『心理学的な事実を謙虚にみつめる』というのかな?そういう意味では、心理学的なデータに対して真面目に向き合うこと。要するに人の心理という面を経験とか勘でしゃべるのではなくて、質問用紙なり調査なり実験を通して明らかになってきたことをみつめて、そこから政策提言・立案ができれば一番いいので、学問に対する真面目さ・真摯な態度ですね。
――ゼミの学生はどんな卒論を書いているのですか?
二宮: 毎年『卒業論文抄録』というものを出していますが、基本は学生の自主性に任せて、学生があるテーマをこれだと決めたら、それについて一生懸命自分で調べます。テーマについては人によってさまざま、人の数だけあります。年によっても違うしね。ただ言える事は、学生が一番調べたいことを【心理学の方法論】にのせていくということです。
――ということは、先生のゼミでは統計や実験の調査・分析は必要ということですか?

二宮: 人に関する問題意識を持つことですね。人に対する疑問点を持つこと。恋愛心理学的なものでも言えるけど、どんなきっかけであっても人に対して何らかの疑問を持っているということが大切です。
漠然とやりたいっていうよりも、何かきっかけがあった方が僕もどうするか教えやすいですからね。
- 記者の目
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総合政策学部で唯一、認定心理士の資格が取れるゼミです。専門的な知識が多少必要ですが、本気で自分を試したい人にはとても良いゼミなのではないかと思います。
教員紹介
二宮 克美 (Katsumi Ninomiya)
- プロフィール
- 名古屋大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士後期課程修了。教育学博士。名古屋大学教育学部助手。愛知学院大学教養部助教授・教授。愛知学院大学情報社会政策学部・教授。現在に至る。日本学校心理士会愛知支部副支部長、日本臨床発達心理士会中部東海支部支部長、日本認定心理士会評議員、日本青年心理学会常任理事、日本発達心理学会理事、東海心理学会理事など。
- 研究分野・専門分野
- 児童期・青年期の社会性・道徳性の発達。中学生の社会的行動に関する縦断的研究。大学生の大学授業観の形成過程。小中学生の「思いやり」行動の発達過程。