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ゼミ訪問

第4回 (2010.7)

村田尚生ゼミナール

――専門とする分野は何ですか?

村田: 大きな意味でいう「まちづくり」です。まちづくりと言っても、実際にまちのことだけでなく、社会を構成する人がその中でどうなっていくのかなども含めてやっています。

――先生がその分野に興味をもったきっかけは?

村田: 高校生のときは空間のデザインをやりたいと思っていました。大学に入学して、そういうことを勉強していく中で、空間デザインっていうものを決めているのは、行政とか建築士、いろんな事業者だとかというのがあるのだけれど、実際にはいろんな人たちが1つひとつ作り上げた総合的な集まりとしてまちがあるので、その中で人の関係もあわせて、どういう風にまちができているんだろうか?ということが興味の対象になっています。それは、当然法律面でどういう制度があるのかということだけじゃなく、そこで、どういう人達が、どういう風に動いたりしながら、まちというのはできているのか、というところに、徐々に徐々に関心が広がっていきました。 後は、自分で動いていく中でいろんな人と出会い、いろんな人から影響を受けながら今やっていることがあるのかなって気がしてます。

――授業はどうやっていますか?

村田: 私が講義をする形ではなく、学生が発表したことについてコメントをつけていくようなやり方で授業は進んでいます。その他に学外活動として実際にまちづくりの現場に出て、いろんなことを体験してもらっています。
発表が中心ですが、1つひとつ私とマンツーマンで相談しながら、どうやって発表するかということを、発表用のレジュメとかを準備してもらって発表する形をとっています。

――例えば、インターネット等の方法がありますが、資料はどうしているのですか?

村田: 発表用の資料については、1人ひとり最終的には卒業論文を書いてもらう目標があるので、その卒業論文を書くために順番に手順を追いながらやっています。まず、はじめに既存の論文を読むということをやってもらい、論文を読んだ内容をまとめて発表することをやって、そういった中で論文って何か?ということを学んでもらいます。
その次にやってもらうのが、自分が何をやりたいのか?というテーマを考える。それは特に資料があるわけでなくて、自分の中にある問題意識を発表してもらう。その次にそれを具体化し、調べるときに、1人ひとりどういうことを調べたいのか、あるいはどういう調査対象を調べるのか、内容についてもいろいろあるので、それをプレ調査という形で文献だとかインターネットだとか、実際に行ってみたりだとかして、調べてきた内容を発表してもらう。そして、4年生になって本格的に自分の研究ができるように、その前段階として研究計画をたてるとういうことをやっています。

4年になったら計画をきちんと立てて、いろんなところへ調査しに行ったり、アンケートをとったり、インタビューにいったりと人それぞれです。鹿児島まで調査に行ったり、まちづくりのプロジェクトに実際に参加して調査した人もいます。
一人で調査をするひともいれば、2、3人で調査をする人もいます。それはテーマによってかわってきます。

――4年生では研究計画をたて卒業論文を進めるんですね。3年生のとき具体的には何をやるんですか?

村田: 自分の卒論を模索し、色々なことを調べていくプロセス自体がとても大事だと思います。問題意識を自分で掘り下げていくことや、実際の調査に必要な相手先を開拓するために、まちづくりを実践している人たちとの関係も築けなければいけない。調査方法としても、データが取れないので調査できないよねってこともあるので、なんとか目的を達成できるように模索することが1番3年生の時にやることかな。

学生A: 僕も3年生のときに結構調べる内容が変化してきた。

村田: 結局いろいろ模索する中で、180度変わるわけじゃなく、微妙に方向を変えながら、大目標は達成しているっていうようなやり方になっているかな。調査できる話とできない話があるので、できない話をどこまで追い求めても、結局最後までまとまらなかったっていう話になるので・・・それを微妙に変更することはよくあります。人によっては、180度かわる人もいるんだけどね。

――他のゼミとはここが違うといった特徴はありますか?

村田: 発表というのを重視しているので1回1回の発表についてかなりきちっと細かい部分までチェックします。レジュメの書き方も含め、自分の考え方をどうまとめるのかという指導をかなりきちっとしますし、場合によってデータが足りないのならそこへ行って話しを聞いてこいだとか、自分が知っている人的ネットワークから紹介したりとかも結構します。まとめると、「きちんと指導します」ってことや、私自身がまちづくりのいろんな活動をしているので、「学生が触れ合えるまちづくりの現場が多い」ことかな。

――最後に、先生が学生に求めることは何ですか?

村田: ゼミの活動だとか、卒論を書くということが重要なんじゃなくて、最終的に一番大事なのは、社会に出たときに1人ひとりが自分でいろいろ調べたり、考えたり、具体的な問題解決におもむくことができるっていうことが一番大事だと思う。その上で必要なことをゼミの活動を通して、学んでいってもらえればいいなって思っています。そうしたときに私の中に評価基準があるわけでなく、社会の側に本来基準があるはずなんだけど、一番難しいのは学生って社会を知らないから、社会の側でこれだけのものが求められているんだ、このレベルのものが求められているんだということがピンとこないことがある。そのため、おのずと私の求めるレベルが高いといわれたりするんだけど、それはただ単に社会の求めてる基準ってのが高くて、その基準を自分の中でもって卒業しないと、社会に出たときに結局2ヶ月ぐらいで会社辞めて帰ってきました、なんていうのになるわけだから、そうならないために学生にゼミの中でいろんなことを学んでいけるように色々と意識付けしていくところが、1番苦労するんだけどね・・・ 卒業生なんかの話を聞いたりすると、ほとんどの人がゼミは大変だったけど、社会に出て学生時代にあんだけやっといてよかったって言う人のほうが、やっぱり多い。

記者の目

村田ゼミは、実地活動としてNPOのお手伝いをしたりしています。こういった活動に興味がある方は、いつでもゼミ室を訪れてはいかがでしょうか?

ゼミのみなさん、ありがとうございました。

教員紹介

村田 尚生 (Takao Murata) 村田 尚生 (Takao Murata)

プロフィール
大阪府出身。東京工業大学大学院修了(1991年)。三和総合研究所、東京工業大学助手を経て、1998年から愛知学院大学。日本都市計画学会、日本造園学会、日本NPO学会会員。特定非営利活動法人まちの縁側育くみ隊副代表理事、特定非営利活動法人にっしん市民環境ネット理事などのまちづくり活動に参加。
研究分野・専門分野
まちづくり・都市計画、なかでも昔の都市はどのようにつくられたのか?をテーマとして研究しています。江戸時代以前の都市では、人と人のつながりや、人と自然(神仏)のつながりが考えられていました。近代化により失われた、これらのつながりを、どのようにすれば取り戻すことができるのかが最大の関心事です。

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