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ゼミ訪問

第2回 (2008.11)

森下英治ゼミナール

――専門とする分野は何ですか?

森下: 環境問題全般に関心があり、今は環境改善が主。開発途上国のパキスタンの調査をしていて、工場廃水などの人為的理由によって自然のバランスが崩れ、天然のヒ素が地下水に溶けているようだ。そのため、フィルターを利用した除去作業といった復旧活動を行っている。ヒ素は健康に影響を及ぼすため、現地の人たちにインタビューをして現状を把握している。社会的問題にもなっている。

森林の活用にも興味を持っていて、産業構造を含めた研究もしたい。

――その分野に興味を持ったきっかけは?

森下: 20年前、途上国への関心からスリランカに青年海外協力隊員として2年間滞在した。その時に環境の変化が問題になっていることを知ったのがきっかけ。その時は、28~30歳くらいだった。

――ゼミはどのようなことについて学ぶのですか?

森下: 国内の環境問題を中心に、環境基本計画などを学ぶ。他には、地域の自立問題や安全・安心の町づくりを論題にして、できるだけ現場を見ながら確実に取り組む。

――学習方法は何ですか?

森下: 3年の春は、環境の基本に重点を置いた講義を進め、夏休み前後に卒論のテーマを決めて、夏休みから文献調査を始める。3年の秋からは、卒論のテーマに沿った文献調査や現地調査などを行い、4年の春・秋に分析を行う。

――先生がゼミを通して学生たちに求めることは?

森下: 個性を生かし、自分の興味があることを積極的に調べていくことを求める。

――ゼミの学生は卒論でどのようなことを調べているのですか?



竹炭を使った水質浄化実験のために制作した「浄化装置」(?) 大きなコンテナに10Kgほど竹炭を入れ、網をかぶせたものです。

森下: 環境基本計画を参考に具体的な調査を行っている。水質調査は、微生物が必要とする酸素量を表す BOD を計測し、水質汚染度を調べている。この実験には竹炭を使い、水質浄化について調べるが、実験自体に1,2時間ほどかけ、BOD の値を得るには5日間かかる。8月に浄化前・後の BOD の違いについてまとめる予定になっている。

他には、道路の状況を学外に出て観測・評価し、日進市の指標づくりといったものを行っている。河川の親水やエコカーについて調べている学生もいる。

――他のゼミとはここが違うといった特徴はありますか?

森下: 学生主体で、指導できる範囲であれば、テーマなどの強制はしない。学生との会話を重視し、内容が決まるまではじっくりと待っている。ゼミの人数は、4年が13人、3年が21人。テーマごとに、2~3人のグループに分かれ、グループ学習を行い、学外へ行く場合は教員自身も学生の調査に参加する事が多い。

――最後に、専門とする分野の魅力を教えてください。

森下: 環境問題は、様々な部分が対象となり、多くの人と関わることになる。したがって、信頼関係を築くことが大切になる。ただ、深入りし過ぎることも研究という面からは問題で、ある一定の距離を置かなければならない事もある。踏み込むことより、問題解決のための責任も当然発生する。だが、やりがいはある。

記者の目

身近な環境問題から、世界規模の環境問題までと、様々なことに取り組むことができ、これからの時代に適したゼミだと言えるのではないかと思います。森下先生は丁寧に説明をして下さるので、とても分かりやすく感じられました。

ゼミのみなさん、ありがとうございました。

教員紹介

森下 英治 (Hideharu Morishita) 森下 英治 (Hideharu Morishita)

プロフィール
東京工業大学総合理工学研究科システム科学専攻博士課程修了。スリランカ測量局(青年海外協力隊システムエンジニア、在コロンボ)、東京工業大学社会工学科(助手)、国際連合地域開発センター(研究員)、アジア工科大学(助教授・准教授、在バンコク)、などを経て現職。近年の諸活動は研究分野参照のこと。日本計画行政学会、日本地域学会、日本環境共生学会などに所属。
研究分野・専門分野
1996年より、パキスタン・パンジャブ地方の環境改善に関わる調査・研究を続けている。水質汚濁の状況、原因、人体への影響を調べ、改善のための方法を技術面、政策面の両面から探っている。近年では、他の研究機関やNGOとの協働で調査・研究を進めている。(参考URL: http://www.uderc.com/

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